MLB公式サイトが「“本塁打強奪”の達人5人」を特集し、その1人としてマリナーズなどでプレーしたイチロー氏をピックアップ。2005年のスーパーキャッチを紹介しながら、イチロー氏の美技を生み出す秘訣は「大胆かつクリエイティブに。ただし、正しい決断をすること」だとつづった。

公式サイトが取り上げたのは、2005年5月2日にマリナーズホームで行われたエンゼルス戦での一幕。0-5でマリナーズが大きく離され、スタジアムにも白けムードが漂っていた7回、ギャレット・アンダーソンがホームラン性の当たりを右翼へ飛ばすと、イチロー氏は壁までダッシュ。フェンスをよじ登り、体をひねってボールをキャッチし、スタジアムをどよめかせた。

同サイトは「イチローは平均的な外野手よりも小柄だったため、長身の選手がするように垂直にジャンプしてフェンスの上に手を伸ばすことができなかった」とコメント。フェンスをよじ登るにはボールから目を離さなくてはならず、手を伸ばしたときにボールが思った場所に落ちてこなかったため、身をひねってバックハンドで捕球するという瞬時の判断力が求められたとし、難しいプレーであったと説明した。

イチロー氏は当時、終盤に入って点差もついており、ファンがあまり盛り上がっていないことに気づいていたという。そこで、自分のところに打球が飛んでくれば、ファンが喜ぶようなことができるかもしれないと思っていたと明かしている。同サイトは「観衆はこの試合の最終的なスコアを覚えていないかもしれないが、イチローの素晴らしいプレーを忘れることはないだろう」と、スーパーキャッチをたたえている。