イチローさんが共同通信のインタビューに応じ、高校球児や女子選手との交流に時間を割く理由や昨年苦しんだ肩の痛みについて語った。

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イチローさんは右肩痛を乗り越え、昨年11月に再び高校女子選抜との試合で登板し、完投勝利を挙げた。高校球児への指導も行い、精力的に若者たちと過ごす日々を取り戻した。

-球児たちとの交流は3年目。その意義は

「今の取り組みの意義については、さらに時間が経過しないと分からないことです。ただ、限られた時間での交流なので、特別な何かが生まれなくても仕方がありませんが、3年間でその可能性を感じています。いずれにせよ僕が足を運んでも、そこで理屈だけこねていては伝わり方が弱い。やはり一緒に全力で動けることが大切です」

-彼らと接して思うことは

「高校生たちからの思いがつづられた手紙を読むと、この先もずっとつながっているだろうな、と思わせてくれる。それは野球選手であることを超えて人としてどうありたいか、という類いのものが大半で心打たれます」

-肩を痛め、思い通りに投げられない期間は半年以上に及んだ

「高校時代にイップスで苦しんだ時期はありましたが、肩を痛めたのは生まれて初めての経験。未知であったとはいえ、8カ月もの間、思うように投げられないのはショックでした。ストレスがたまったし、途中もしかすると戻ってこられないかも、と絶望的な気持ちにもなりました」

-球児たちとの交流のため鍛錬は続けていく

「一緒に練習や試合をした事実が消えることはありませんが、もし僕が動けなくなったら(交流のあった)彼らがきっと寂しい気持ちになるでしょう。自分を求めてくれる人たちがいる限り全力で応えたい。現役選手時代とは違う責任の重さが、そこにはあるんです」