MLBは30日(日本時間31日)に開幕を迎え、今季から複数の新ルールが導入される。ESPN電子版によると、野球を大きく変えるといわれる新ルール「ピッチクロック」は、この春のオープン戦で導入され試合時間が前年比平均26分短縮されたという。投手は走者なしで15秒、ありで20秒以内に投げる投球時間制限が設けられ、打者は残り8秒までに打席で構えなければならない。これにより1試合平均3時間3分だったのが、2時間35分になったという。

AP通信によると、ピッチクロックに対する選手や監督らの意見はさまざま。ドジャースのベテラン先発左腕クレイトン・カーショー(35)は「自分がピッチクロックのことを必要以上に気にしすぎていたことに気付いた。レギュラーシーズンに入れば、ピッチクロックに影響されることなく投げられると思う」と話し、カブスの先発左腕ドルー・スマイリー(33)は「レギュラーシーズン中は、ピッチクロックを使った規定スレスレの巧妙な駆け引きが行われるだろう」と予想した。

一方、打者の立場からは否定的な声も出ている。ジャイアンツのゲーブ・ケプラー監督は「野球から心理戦の部分が失われる。打席を外して息をつき、空を見上げて気持ちを切り替えることが今までならできた。最悪の場合は審判からせかされることがあったが、これからはペナルティーという最悪のケースが待っている」と話した。