ブルージェイズ菊池雄星投手(31)がプロ14年目で日米通算100勝(日本73勝、米国27勝)を達成した。

30日(日本時間5月31日)、本拠地でのブルワーズ戦に先発し、5回3安打5四球も2失点と粘り、今季6勝目(2敗)を挙げた。4回には、メジャー通算500奪三振にも到達した。また、メッツ千賀滉大(30)は先発で5勝目、アスレチックス藤浪晋太郎(29)は救援で2勝目を挙げ、21年ぶりに日本人メジャー3人が同じ日に勝利投手になった。

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先手を取られても、菊池の攻める姿勢は変わらなかった。1回1死から先制2ランを被弾。それでも、直後に打線が4点を奪って逆転し、「初回に野手から点を取るから粘り強く投げてくれと言われたので、気持ち的に攻めていけた」と、2回以降は無失点で5回を投げきった。

慎重に入った序盤はカーブを多投した一方、リードが広がった中盤は、最速97・5マイル(約157キロ)の速球主体のシンプルな配球に変更した。4回、7番ウィーマーを速球で空振り三振に打ち取ってメジャー通算500奪三振。地元ファンにスタンディングオベーションで祝福されると、少し照れるかのように、帽子を取って笑顔を見せた。

移籍1年目の昨季は、8月中旬から救援に配置転換され、ポストシーズンも登板機会がなかった。今季はオープン戦で好成績を残し、開幕から先発ローテーションに復帰。11試合目で節目の数字に到達した。「時間はかかったけど、こうやって100勝できたことは、もちろんうれしい」。

21年オフ、マリナーズとの契約延長を破棄して移籍決断を下したのも、すべては先発へのこだわりが根源だった。昨季の悔しさはマウンド上で晴らすしかなかった。ブ軍が属するア・リーグ東地区は現在、全5球団が貯金2以上という最激戦区。菊池が安定した投球を続けることが、ポストシーズンへのカギとなる。