エンゼルス大谷翔平投手(28)が「究極の二刀流」を目指す。次回登板は中6日と間隔を空けて、9日(同10日)のマリナーズ戦に決まった。ネビン監督は、大谷に200イニング登板をさせたい考えで、そのために休養を与えることが狙い。昨季両リーグ通して8人しか達成者のいなかった数字に、打者でもプレーしながら到達すればまさに鉄人となる。「1番DH」で出場したこの日のアストロズ戦は、同点の8回2死一塁で右翼フェンス直撃の決勝適時二塁打を放った。

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大谷は二塁ベース上で、力強くガッツポーズを決めた。1-1の8回2死一塁、フルカウントから右腕メートンの低めカーブを捉えた。「打てて良かったです」。下半身を鋭く回転させて打ち返した打球は、角度27度で右翼へ上がった。惜しくも本塁打にはならなかったが、フェンス直撃の二塁打。右拳を掲げてチームを鼓舞した。

決め球を打ち砕いた。メートンのカーブは被打率6分4厘。ネビン監督が「左打者にとって最も難しい投手の1人」と評する同投手を攻略した。2日前にも対戦し、ほぼ同じ配球でフルカウントから外角カーブを見極めて四球。この日はきっちりタイミングを合わせて強振。同監督から「非常にいい打席だった。相手投手の策を理解していた」とたたえられた。

負ければ同地区のライバル相手にカード4連戦で全敗となる危機だった。メジャーに挑戦した18年シーズン以降、31勝62敗と大きく負け越している宿敵。ア軍との対戦は今季残り6試合しかなく、プレーオフ進出へ直接対決ではこれ以上負けられない。大谷は試合後、「勝てて良かった」とコメントした。粘り勝ちで連敗を止め、貯金1。ズルズルと上位から離される訳にはいかない。大谷が意地の一打で、チームを救った。【斎藤庸裕】