エンゼルス大谷翔平投手(29)の初本塁打王獲得を、日本有数のグッズ収集家も喜んだ。埼玉県越谷市のかみむら歯科・矯正歯科クリニック・上村英之理事長(62)は「日本人初ですから本当にうれしい。パワーヒッターが集まるメジャーで考えられなかった。あの松井秀喜でさえ取れなかったタイトルですからね」と話した。

花巻東高校時代から大谷の人間性には注目していたが、グッズ収集を始めたのは21年から。MLBの公式サイトを何げなく見ていて、オークションが行われていると偶然知った。試合で使用されたロジンバッグを約10万円で競り落とすと「集め出すと次も次も」と収集心に火が付いた。

収集品の最高額は今年のオールスターで使用したヘルメットで9万8010ドル(約1420万円)だった。前年の球宴で使用したものも約400万円で購入していたため、想定額の1000万円を400万円ほど超えたが、意地で競り落とした。2位は昨年のブルージェイズ戦で1試合2本塁打を放った時の実使用ユニホームで約600万円。「最近はメモリアルなものを集めたくなった」と、初めてピッチクロック違反を犯した際のボールや試合のラインアップカードなど、累計で約4500万円をつぎ込んでいる。

経営する歯科医院の待合室に、子供たちを喜ばせるためグッズを並べるコーナーを作った。ホームランセレブレーションで使うかぶを製作した鹿児島県のメーカーが「子供たちにかぶせてほしい」と、少しだけ小さくしたレプリカを寄贈してくれるなど、グッズは増える一方だ。上村理事長は鹿児島出身で、オールスターで使用したユニホームを競り落とした人物も鹿児島県の企業の会長。大谷を通じた不思議な縁も感じている。

歯科医は1日平均17、18人の患者が通う。このクリニックには国内最多規模の1日300人が通院し、上村理事長は「グッズは経費にはならないけど(知名度アップで)費用対効果はあります」。子供が喜んで通院する姿が、何よりの楽しみだ。盗難保険は「保険金がヘルメットの実費分3000円程度なので」と掛けられないが、盗難防止の強化ガラスや警報システムは厳重に備えた。

妻には黙って購入しており、予算の上限はないという。今後も大谷が偉業を続けていく限り、収集品を増やしていく予定だ。「ベーブ・ルースのように伝説になってほしい」と願い、グッズを子々孫々まで受け継ぐという。【斎藤直樹】