ブルージェイズ菊池雄星投手(32)は29日(日本時間30日)、今季の公式戦最終登板となる本拠地レイズ戦に先発。打線の援護もあり、6回途中3失点で11勝目を挙げた。
イニング途中の降板でも、ベンチへ向かう菊池に対し、地元ファンは総立ちでねぎらいの拍手を贈った。メジャー5年目は、開幕から先発ローテを担い、32試合に先発。11勝6敗、防御率3・86、投球回数167回2/3、181奪三振と、自己ベストの成績でフィニッシュした。昨年の同時期は、救援へ配置転換されるなど不本意なまま、終戦を迎えた。それだけに、試合後は「1年間、先発ローテーションを守れて良かった」と振り返った。
ただ、今の菊池は個人成績には無関心だった。プレーオフ進出をかけた佳境。求めていたのは、勝利だけだった。序盤に走者を許しても併殺で切り抜け、打線の援護を呼んだ。8点リードの6回途中、76球で交代しても、自軍が勝てば結果オーライだった。「いい緊張感でやれた。今日取らないとプレッシャーがかかる試合だったが、そこで勝てたのが僕の中でも大きい」。快勝したチームは、プレーオフ進出へ大きく前進。着実に飛躍した菊池の23年は、まだまだ終わらない。