日本人投手で今オフ最初の移籍決定となった。ツインズからFAとなっていた前田健太投手(35)がタイガースと2年契約で合意したと26日(日本時間27日)、球団公式サイトが伝えた。年俸総額は2400万ドル(約36億円)。27日(同28日)に身体検査を行い、問題がなければ発表される見込み。8年契約を終えたベテラン右腕が、若手投手の多い新天地で手本となる投球を披露する。

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前田は投球を見せつけてきた同地区のライバルに力を買われた。内側側副靭帯(じんたい)の再建手術(通称トミー・ジョン手術)から2年ぶりに復帰した今季は、21試合で6勝8敗、防御率4・23。タイガース戦に限れば3試合で1勝1敗、15イニングで18三振を奪い、防御率2・40。さらに本拠地コメリカパークなら2試合で1勝1敗、防御率0・82。3与四球で12奪三振と、相性の良さは抜群だった。

ヒンチ監督は5回3失点で手術後初勝利を献上した6月23日、ベテランの投球術に脱帽していた。「スプリットとスライダーのコンビに対して注意深くなる必要がある。私たちの選手たちは対処するのが難しかった」。今季は直球とスプリット、スライダーが各25%以上。初めてスプリットが30%を超えて最多投球の球種となるなど、新たな投球パターンを確立した。

若い先発陣の中では最年長となるだけに、手本として期待される。30歳で13勝を挙げたエース左腕ロドリゲスが契約破棄でFAとなり、前田以外の来季の予想ローテーションは、今季7勝の左腕スクバル、5勝の右腕オルソンら全員が20代。2桁勝利を挙げた経験のある投手がおらず、2桁勝利3度、メジャー通算65勝の前田にはリーダーシップが求められる。

タ軍は「最後の3冠王」ミゲル・カブレラが今季限りで引退した。3200万ドル(約48億円)の年俸が浮くため、来季は総年俸に余裕がある。右肘の不安から出来高を除くと総額2500万ドル(約37億5000万円)という「格安契約」で渡米してから8年。実績を重ね、来季はチームで2番目の高給取りとなる前田が、チームを10年ぶりのプレーオフへ導く。

◆デトロイト・タイガース 1901年、ア・リーグ創設と同時に誕生。リーグ優勝11回、ワールドシリーズは4度制覇。79年途中から95年までスパーキー・アンダーソン監督の長期政権。11~14年地区優勝。本拠地はコメリカパーク。A・J・ヒンチ監督。日本人は99、00年に木田優夫、00年に野茂英雄が在籍。