【ナッシュビル(米テネシー州)3日(日本時間4日)=四竈衛、斎藤庸裕】大争奪戦の行方はいかに…。各球団幹部や代理人など米球界関係者らが一堂に会する「ウインターミーティング(WM)」が4日(同5日)から開幕。

エンゼルスからFAとなった大谷翔平投手(29)は、候補球団との交渉で最終局面に入ったとみられており、決断が注目される。エンゼルス残留の可能性も消えていない状況で、渦中のGMは一般客と同便で開場入りした。

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米国西部時間の早朝6時過ぎ。ロサンゼルス国際空港でエンゼルスのペリー・ミナシアンGMが1人、テネシー州ナッシュビル行きの搭乗口に現れた。同便を待っていたエ軍の番記者数名は予想外の人物の登場にザワついた。見慣れた面々から声をかけられた同GMは「ヘイ、元気にしてる?」と威勢よく応答。一般客に交じり、ファーストクラスの席へと向かった。その順番待ちで日本人メディアと遭遇すると、「彼はどこに行くんだ?」と問いかけた。“彼”を意味するのは、間違いなく大谷だった。

余裕からなのか、シラを切っているのか、それとも背水の焦りを隠すためなのか…。米メディアの報道によれば、最終候補のドジャース、カブス、ブルージェイズ、ジャイアンツ4球団に加え、エンゼルス残留の可能性も消えていない。米球界関係者によれば、既に面談を終え、決断待ちの状態だという。大谷残留に尽力してきた同GMにとって、人ごとであるはずがない。いずれにしても、最終候補で渦中の球団の編成トップは、ピリピリした緊張感を漂わせることもなく、ラフな姿でWMの現地に入った。

本人や代理人を含め、大谷サイドが沈黙を続ける一方で、メディアによる情報合戦は絶えない。契約金で言えば、複数球団が既に5億ドル(約750億円)から6億ドル(約900億円)に及ぶ破格の条件を提示したという。決断の時期は近いとみられるが、USAトゥデーのボブ・ナイチンゲール記者は「1週間後か、おそらくクリスマス休暇前には。だが、すぐには決まらないだろう」とも報じた。

WMでは例年、大物FA選手の去就が決着する。昨年はヤンキースからFAとなっていたアーロン・ジャッジ外野手(31)が、9年3億6000万ドル(当時のレートで約504億円)の大型契約で残留となった。史上最高額の契約と予想される大谷の去就はいかに…。歴史的なFAの行方が、最大の注目となる。

 

◆ペリー・ミナシアン 1980年4月、イリノイ州シカゴ生まれ。テキサス州アーリントン育ち。父ザックさんがレンジャーズのクラブハウスマネジャーを務めており、8~16歳までレ軍のバットボーイとして働いた。ラマー高、テキサス大アーリントン校卒。97~02年までクラブハウス用務員を経て、03年にスカウト就任。03年途中から06年まで球団職員を務め、07、08年は先乗りスカウト。09~17年ブルージェイズでスカウト。17年途中からブレーブスで編成副本部長兼GM補佐に昇格。20年11月に4年契約で第13代エンゼルスGMに就任した。家族は妻と子供4人。