【ロサンゼルス(米カリフォルニア州)9日(日本時間10日)=斎藤庸裕】エンゼルスからFAとなっていた大谷翔平投手(29)が、ドジャース移籍を決断した。所属先の代理人事務所CAAの発表で契約額は10年7億ドル(約1015億円)。世界のスポーツ界全体で史上最大の契約額となった。

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大谷が強豪球団ドジャースを選んだ。ベッツやフリーマンらMVP経験のあるスター軍団と、ワールドシリーズ制覇を目指す。選手層が厚く、総合力で“勝てる球団”であることに加え、大谷が求める要素にマッチする点が多くある。

<1>明確なビジョン 大谷は常に目的意識を持ちながら、中長期的なプランを描いてきた。今年6月21日、ドジャース戦で登板。「強いチームはどこもそうですけど、ゲームプランを立てて、全員で同じ目的意識を持ってくる」と印象を語った。監督、コーチを含めて個々が目的を徹底し、1つのチームになる。それを体感したはずだ。一方でエンゼルスでは6年間で監督が4人交代。球団身売りの話も上がっている。二刀流のプレーを確立しても、組織全体が不安定だった。

<2>環境 大谷は9月下旬に右肘を再手術。18年の時も含め、2度とも執刀医はド軍のチームドクターでもあるエラトロッシュ氏だ。エ軍でリハビリを担当していたフィジカル・セラピストのバーナード・リー氏、日本人の中島陽介アスレチック・トレーナーも在籍する。二刀流復帰へのバックアップ体制も整っている。

<3>信頼と安心 ロバーツ監督は、これまで敵将として大谷のパフォーマンスを絶賛。他球団の監督では珍しく「ショウヘイ」と呼び、親しみを込めていた。今月初旬のウインターミーティングでも、大谷獲得を「トップ・プライオリティ(最優先)」として包み隠さず、潔く表明。両者に信頼関係があるようにも見えた。また、三塁コーチはディノ・イブル氏で、大谷の1年目にエ軍に在籍。なじみ深い首脳陣の下でプレーできる安心感もあるだろう。 マイナー組織が充実し、主力が故障しても次々と生きのいい若手選手が活躍してカバーする。ド軍が強豪であり続けるゆえんでもある。日本ハム入団やエンゼルス入団の時も、明確なビジョンがあったはず。勝つために何が必要か。緻密に、かつ中長期的な見方が、双方で合致した。

◆ロサンゼルス・ドジャース 1883年にニューヨークで「ブルックリン・クラブ」として創設。1890年ナ・リーグに加盟。愛称は市民が路面電車を避けて歩いたことから「よける人」の意味。1958年ロサンゼルス移転。黒人初大リーガーのジャッキー・ロビンソンも在籍した。リーグ優勝24度はナ・リーグ最多。ワールドシリーズ優勝7度。本拠地ドジャースタジアム。デーブ・ロバーツ監督。