【メサ(米アリゾナ州)21日(日本時間22日)=四竈衛】今永が「ウソをついて」誠也斬り-。カブス今永昇太投手(30)が、キャンプで初めて打者相手のフリー打撃に登板した。鈴木誠也外野手(29)をはじめ、延べ打者6人に対し、1本塁打、1奪三振、25球、最速93マイル(約150キロ)と上々の初実戦だった。

DeNAと広島で好敵手として戦った2人の対決が、アリゾナの青空の下で3年ぶりに実現した。今永は、打席に立つ鈴木の風格に威圧感を覚えた。「打席に立つ前も、僕がマウンドに上がる前も、誠也に真っすぐだけで行くからねと言っていたんですけど、打席に立つとデカくてピッチャー返しが怖くて…」。初球からいきなり「約束破り」のカーブで入り、速球をファウルで粘られるとスライダーを交え、最後は内角高めへ。この日最速となる93マイル(約150キロ)の速球で空振り三振に仕留めた。

正捕手ゴームズとのサイン交換には、電子機器「ピッチコム」を使用。「絶対、死球だけは当てないのと、ピッチャー返しだけはやめてくれというのとで、ピッチャー返しになりにくい球をウソついて選択しました」と笑顔で振り返った。

ウィズダムとの2打席目の対戦では、甘く入ったスライダーを左翼へ柵越えされた。「質の低い変化球が浮いたりすると単打にならない。自分の課題は痛いほど分かってます。今日は打たれてよかったと思いますね」。1発以外は、球威、制球とも申し分なく、反省点はむしろ今後へ向けての好材料だった。

予定通りに進めば、25日(同26日)に2回目のフリー打撃に登板し、その後、オープン戦で「デビュー」する見込み。「毎年実戦になるにつれて、ボール(の質)がどんどん上がって行く。今年もこういうふうになれてよかったなと、まず安心しました」。仲間内だけに「ウソも方便?」。メジャー1年目らしからぬ、今永の試運転だった。