【サプライズ(米アリゾナ州)2月28日(日本時間同29日)=斎藤庸裕】ドジャース山本由伸投手(25)が、オープン戦初登板で鮮烈デビューを飾った。昨季の世界一レンジャーズを相手に2回でわずか19球、打者6人を1安打無失点で3奪三振。大谷翔平投手(29)との過去の対戦成績で打率4割以上の大谷キラーたちも抑えた。通算225勝のザック・グリンキー投手をほうふつとさせる制球力に加え、直球、カーブ、スプリットもさえ、初登板で強烈な印象を与えた。

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山本は歩いて、ゆっくりマウンドに向かった。メジャー移籍後、初の実戦マウンド。昨季の世界一軍団を相手に「とにかく落ち着いて投げることを意識して」と、冷静に腕を振った。先頭、右の好打者セミエンをこの日最速の96マイル(約154・5キロ)の直球で空振り三振。「すごくいいボールも多かったですし、変化球もいい感覚で投げられたので、よかったところが多かった」と手応えを得た。

リズムをつかむと、2イニング目は山本の独壇場と化した。“大谷キラー”の左打者ローを直球、カーブ、スプリットで3球三振。続くハイムも1球で左飛に仕留めた。投手大谷に対して打率4割以上の両打者を封じ、2回をわずか19球でボール球はたった3球。60~65%をメジャー平均として、ストライク率は驚異の84%だった。「立ち上がりからいい入りができましたし、テンポよく投げられて良かった」と、抜群の制球力をいかんなく発揮した。

もっとも、初登板ならではのうっかり? もあった。2回を3者凡退でチェンジのはずが、一瞬マウンドに戻ろうとしてしまった。ベンチで見守っていた大谷からは「戻ってこーい」とのジェスチャーを受け、苦笑い。その後、投球内容に関してかけられた言葉は「まずまずだなと(笑い)」。“大谷兄貴”に辛口評価を受けたようだが、「まさか(試合を見に)来るとは思わなかったのでうれしく思いました」と、サプライズを素直に喜んだ。

前日に衝撃弾を放った大谷に続き、鮮烈デビューを飾った。投手としては最高額の12年契約で入団し、期待値は高い。「少しホッとしている気持ちはありますし、これからイニングが増えて、どうなるかというところ。とりあえず今日の登板としてはよかった」。1年目とは思えない圧倒的な投球に、三塁側の観客席からスタンディングオベーションで迎えられた。「本当に野球を楽しめているなと思います。チーム皆がサポートしてくださって、とにかく親切にしていただいているので」。感謝をかみしめ、注目の初登板を終えた。