【グレンデール(米アリゾナ州)3日(日本時間4日)=斎藤庸裕】ドジャース大谷翔平投手(29)が、固め打ちで開幕へ向けて万全の状態を示した。ロッキーズ戦に「2番DH」で出場し、3打数3安打。まだオープン戦3試合だが、7打数5安打の打率7割1分4厘、1本塁打、5打点、OPSは2.207となった。第2打席の中越え三塁打は角度15度、打球速度117マイル(約188キロ)の強烈な当たり。3月初旬、かつ実戦復帰3戦目で驚異的な数字をたたき出した。

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今、開幕でもいい。大谷の超高速打球が、低い弾道で飛んでいった。角度15度、打球速度117マイル(約188キロ)で、飛距離424・5フィート(約129メートル)。カウント1-2からの5球目、左腕ゴンバーの内角寄りの速球をセンターへ軽々と打ち返した。捉えたインパクトから中堅フェンスまで4秒。感触が良かったのか、一塁を回るまでは少しゆっくり走った。打球が跳ね返ったことを確認すると加速し、三塁まで悠々と到達した。

打球も速いが、修正も早い。三塁打を打った直前の4球目、外角スライダーを強振でファウルとした。イメージとわずかにずれていたのか、打席を外し、考えた。構えるまで約15秒。続くボールを完璧なタイミングで捉えた。1球前よりも、右足を2~3センチ開いていた。偶然かもしれないが、一貫して構えとボールの見え方を重視する大谷。打席ごと、1球ごとに改善を重ねると考えれば、修正を加えてもおかしくない。ロバーツ監督は固め打ちの大谷を「Locked in(集中しているようだ)」と評した。

この日はMVPトリオも素早く機能した。1回、先頭のベッツから大谷、フリーマンの3連打で先制。その後、2連続犠飛であっという間に追加点を奪った。攻撃が始まってから、わずか6分間で3得点。指揮官は「とても手ごわい打線。トップ3を見れば、それは容赦ない。今日、チームを活気づけたのは間違いない」と声のトーンを上げた。長打もあれば、単打のつなぎと足を使った攻撃で確実に得点できる。大谷を取り巻くド軍の強さを示した。

あくまでオープン戦の成績だが、大谷は実戦復帰から3試合で打率7割1分4厘。全試合で安打と打点を挙げている。前日、テーピングを巻いていた右手の小指も問題ない様子で、ロバーツ監督は「我々が期待しているよりも、早く前に進んでいると思う。今日も彼にとって、いい1日になった」と目を細めた。打球速度、修正、仕上がり。とにかく早い。3打席で交代後、同僚のマンシーに出迎えられ、うれしそうに笑った。その笑顔が、充実感を物語っている。

◆大谷の打球速度 大谷が2回に打った中越え三塁打の打球速度117マイル(約188キロ)は、公式戦では9位タイに相当する。9位までは二塁打が5本、本塁打が4本で三塁打はない。過去最速は119・1マイル(191・7キロ)で、22年4月10日アストロズ戦でウルキーディから打ったライナーの右越え二塁打。当時は左打者では15年以降、最速だった(現在は2位)。

▼大谷がオープン戦で1試合3安打以上を放ったのは、日米を通じて初めて。オープン戦での3試合連続打点は日本ハム時代の14年以来2度目で、大リーグ移籍後初めてとなった。これで7打席連続出塁。ちなみに大谷のレギュラーシーズンでの連続打席出塁は、21年9月に記録した8打席が最長。