ドジャースが球団史上初となる2年連続のワールドシリーズ制覇を達成した。

表彰セレモニーの壇上で、フリードマン編成本部長は誇らしげに言った。「ここにいる全員が、キャンプの初日から、このトロフィーを再びロサンゼルスに持ち帰ることを目指していたんだ」。昨季世界一の座に就いたドジャースは、オフシーズンに入った時点で、今季の明確な目標として連覇に照準を定めた。プロとして当然のことのようだが、近年のメジャーの世界一球団は、オフに入ると高額年俸の主力を放出したり、積極的な補強を進めず、「ひと息」ついてしまう球団が大半だった。だが、「最強軍団」を目指すド軍は、補強の手を緩めることなく、今季へ臨んだ。

その裏にあるのが“故障者を想定内とする”危機管理能力だった。たとえば、先発投手陣の顔ぶれが5人そろったとしても、安心する姿勢はなかった。常にバックアップ要員をマイナーで準備し、必要な時期にメジャーで経験をする機会を与えた。キャンプ以来、慎重を期してきた「投手大谷」のリハビリをスローダウンさせる一方、完全復帰のメドが立つと、若手右腕のメイをトレードで放出。他球団であれば先発ローテに入るような新人左腕ロブレスキ、ドライヤーらを救援として育成し、終盤戦の厳しい状況にも対処できるだけの場数を踏ませた。

その一方で、予期せぬ誤算もあった。昨オフ、高額資金を投資した左腕クローザーのスコット、ベテラン右腕イエーツが不安定な投球を続け、終盤からポストシーズンでは居場所を失った。それでも、長期離脱中だった佐々木朗希を救援として起用する策が、9月最終週になって成功。ポストシーズンではクローザーとして、ド軍のアキレス腱(けん)を補った。

潤沢な資金による大補強に批判的な声がある一方、常に自軍の弱点に目を向けるだけでなく、プロ、アマ、海外スカウティング、データ分析、さらに若手の育成、他球団で埋もれていた選手の再生力など、組織としての総合力がメジャー屈指であることは否定のしようがない。

23年オフ、ド軍入りした大谷は自らの意志で大型契約の9割以上を後払いにしてまで、経営陣に恒常的な補強を求めた。実際、山本、佐々木らの補強で、チームは着実に将来の軸に厚みを増した。今世紀初の連覇は、おそらく「常勝ド軍」の始まりに過ぎない。【MLB担当=四竈衛】

◆ロサンゼルス・ドジャース 1890年にナ・リーグに参加。当初はニューヨークのブルックリンに本拠地を置き、47年に黒人初大リーガーのジャッキー・ロビンソンと契約。55年にワールドシリーズ初制覇。58年にロサンゼルス移転。日本人選手は95年に野茂英雄が初めて在籍した。リーグ優勝26度、ワールドシリーズ優勝9度。チーム名は、市民が路面電車を避けて歩いたことから「よける人」の意味。ロバーツ監督は沖縄出身で母親は日本人。

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