<ブルージェイズ5-4マリナーズ>◇26日(日本時間27日)◇ロジャーズセンター

 マリナーズ・イチロー外野手(35)が初の退場処分を受けた。

 焦点となったのは外角高め。カウント2-0から自信を持って見送った投球がストライクと判定され、まず驚きの反応を見せた。直後に右腕を伸ばすようにして、“ボールはこの上を通った”と言いたげにも見えるしぐさでホームベースの外側の地面をバットの先でこすった。間髪を入れずにルンギ球審が退場を言い渡した。

 試合後、イチローは落ち着いた様子で退場処分を振り返った。ストライクの判定そのものには怒りや不満は口にしなかった。「もうちょっと間を置いてほしいですね」と笑みを浮かべる。「間をもうちょっと味わいたい。(審判員の)演出能力の問題じゃないですかね」。退場するにしても観客席を盛り上げたい、という意味にも聞こえた。

 祖父と父も大リーグ審判員というルンギ球審を刺激したしぐさについては「条件反射的な動き」と振り返るが、その一方で「(退場処分の)可能性はあるだろう」と覚悟していたと言う。