ニューヨークに再上陸した「赤いゴジラ」に万雷の拍手と歓声が降り注いだ。エンゼルスに移籍した松井秀喜外野手(35)が13日、古巣のヤンキースとの対戦前に行われたワールドシリーズ優勝リングの授与式に参加。ファンと元同僚の祝福に、感極まった表情を浮かべ「非常に感動した。おそらく一生忘れられない瞬間。幸せでした」と話した。

 ヤンキースの面々に続き、昨季のワールドシリーズMVPとして松井の名前がアナウンスされると、総立ちのファンの熱狂は最高潮に。ヤンキースのジラルディ監督からリング入りの木箱を手渡され、マウンド付近に赤い帽子の松井を取り囲む輪ができた。

 ただ、木箱の中身は偽物で、試合前に両チームが整列した際にジラルディ監督から本物を手渡された。仲良しのデレク・ジーターが仕組んだいたずらと聞かされ「はじめにもらったものが本物だと思っていた」と苦笑した。

 松井の背番号「55」のユニホーム姿で応援したニュージャージー州在住のジョー・サンジェニートさん(45)は「彼の謙虚な姿勢がずっと好きだった。きょうのファンの反応が彼がニューヨークのヒーローということの証明」と“凱旋(がいせん)”を喜んだ。ニューヨーク在住の学生、大山杏実さん(25)は「みんな総立ちで『マツイ』と叫んでいて感動した」と話した。

 試合に入っても興奮は収まらず、1回の第1打席に入る際に観客が立ち上がって拍手。しかし、5打数無安打と松井のバットから快音は聞かれず、試合も5-7で敗れた。