ナックル姫こと吉田えり投手が所属する米独立リーグのマウイで奮闘する日本選手がもう1人いる。西武、横浜で活躍した35歳のベテラン左腕、土肥義弘投手だ。

 土肥は10年オフに大リーグ挑戦を表明し、メキシコリーグなどを経て、今年1月にオリオールズとマイナー契約。だが開幕直前に解雇され、6月にマウイ入りした。入団当初は救援登板もしたが、現在は豊富な経験を買われ兼任する投手コーチ業がメーンとなった。「せっかくこういう機会が与えられた。違う角度から野球を勉強している」と意欲的だ。

 日本語で指導を受け「すごく勉強になっています」と話す吉田だけでなく、全体練習の前には他の投手たちも土肥のまわりに集まり、熱心に技術指導を受ける。積極的な姿勢が選手に伝わっている。「コーチとして自分から話しかけていかなければならないし、野球用語も覚えないといけない。毎日忙しい日々ですが、いい刺激になっている。必ず今後の野球人生に役立つ日が来ると思う」と笑顔を見せる。これまでとは違った形で充実した日々を過ごしている。