ヤンキースなどで活躍し、昨年引退した松井秀喜氏(39)が28日、ヤンキースと1日限定のマイナー契約を結び、チームの一員として本拠地ヤンキースタジアムでレイズ戦の前に引退式に臨んだ。

 セレモニーは背番号「55」にちなみ、ヤンキースの今季日程で55試合目のホームゲームにあたった同日に行われた。松井氏は本塁付近に設置されたデスクで引退を確認する書類にサインし、ジーター選手から額に入った「55」のユニホームを贈られた。始球式ではピンストライプのユニホームに袖を通して大歓声を浴び「球場に入った瞬間から泣きそうだった。言葉にならないくらいの感動。あらためて幸せな野球人生だった。生涯忘れられない日」と話した。

 ヤンキースが他球団で引退した選手と1日契約するのは、近年では2007年1月のネルソン投手の例があるが、1日契約を結んで引退式を行うことは異例。球団広報は「前例は把握しておらず、少なくとも近年はない」としている。

 プロ野球巨人から03年にヤンキースに移籍した松井氏は09年のワールドシリーズ制覇に貢献し、同シリーズの最優秀選手(MVP)に選出された。米国でも「ゴジラ」の愛称で親しまれ、レイズでプレーした昨年に引退を表明。5月には日米両国での功績を評価され、元巨人監督の長嶋茂雄氏とともに国民栄誉賞を受賞した。