<マリナーズ5-10エンゼルス>◇13日(日本時間14日)◇セーフコフィールド

 【シアトル(米ワシントン州)13日(日本時間14日)=木崎英夫通信員】マリナーズ・イチロー外野手(34)がエンゼルス戦で「暗黙の掟(おきて)」から、死球で狙われる場面があった。

 7回裏、1死一塁で回った第4打席だった。エ軍3番手スパイアの投じた内角に大きく外れる球。イチローは両ひざを思い切り、引いてよけた。その後の3球目、今度は146キロの速球がオシリ近くを通過した。直後にティモンズ球審が、両軍ベンチに警告を発した。イチローは、瞬時に故意と判断した。

 「狙ってんじゃない。2球続けてきたもん」と試合後に話した。イチローは「ハンターのやつ(死球)じゃないの」と前日の試合でエ軍の主力トリー・ハンターが左腕に死球を受け、この日スタメンから外れていたことの“報復”で狙われたと考えた。

 だが、そこはイチロー。余裕で「狙ってんのに当てられないのってカワイイよね。(相手の)監督も(球審に対して、故意を否定しながら)出て来るのもカワイイ。キュート、あの怒ってるさまが」と警告に不服を示したエ軍ソーシア監督にまで言及した。3試合ぶりに無安打に終わったが、不成功に終わった稚拙な報復劇を笑い飛ばした。