<カブス7-1メッツ>◇21日(日本時間22日)◇リグリーフィールド
【シカゴ(米イリノイ州)21日(日本時間22日)=鈴木忠平】カブス福留孝介外野手(30)が復活のマルチ安打を放った。右目の吹き出物による欠場から一夜明けたメッツ戦に5番右翼で先発復帰し、第3、第4打席では相手に合計19球投げさせて連続左前打を放った。相手投手陣を脱帽させる粘りで、1打席に要する球数(投球数÷打席数)はリーグトップになる。チームも視界良好で4連勝を飾り首位を守った。
相手に重いダメージを与えるヒットだった。2-1で迎えた8回無死一、二塁で福留は打席に立った。相手は右腕ハイルマン。カウント2-2から併殺狙いで5球続けて外角へ投げてきたが、すべて左方向にファウル。相手に疲れが見えた10球目。150キロの外角速球を左前へ運んだ。満塁となり後続の連打でこの回一挙5点。勝負を決めた。
「あそこはとにかく併殺を打たないようにと思った。目は昨日と比べてだいぶ良いです。昨日は視界の中に少しまぶたが入る感じだったけど、きょうはなかった」。前日は吹き出物が腫れて右まぶたがふさがったために欠場した。ウミを出して、抗生物質をのみ、一夜明けたこの日は腫れも収まり、普段の実力を発揮した。
試合後、メッツのハイルマンが苦悩の表情を浮かべた。「福留には併殺打を打たせようと思った。内角も見せて、揺さぶってから外角へ投げたのに…。あれだけファウルされると嫌だね」。福留は投球数÷打席数、つまり1打席に要する球数がリーグ断トツの4・72。暗黙の球数制限のあるメジャーでは投手にとって、福留は最も嫌な打者といえるだろう。
「2ストライクからはゾーンを少し広げる。何かの勢いで(主審の)手が上がってしまうのが一番怖いから。ファウルにしかできないボール球でも手を出す」。第3打席でも相手に9球投げさせ、最後は左前打。結局4打席で29球を投げさせた。単に待球しているわけではない。初球打ちもある。ただ、追い込まれても球審の判定さえ計算に入れた上でファウルできる技術と選球眼。日本で高打率を残してきたスタイルはメジャーでも通用している。
試合後は右目を隠すために帽子をかぶり、カメラを通常より自分の左に寄せて会見した。やや恥ずかしそうな福留。まぶたの腫れはまだ少し残るが、視界は完全に開けた。


