メジャー挑戦のためヤクルトからFA宣言した五十嵐亮太投手(30)が13日、希望球団と交渉中であることを明かした。この日、米アリゾナ州での自主トレのため成田空港から渡米。複数球団からのオファーの中に興味を抱く特定のチームがあり、順調な交渉を示唆した。守護神として活躍できる新天地を希望しており、年内での「大リーガー五十嵐」誕生が現実味を帯びてきた。

 出発ロビーで報道陣と数人のファンに囲まれた五十嵐が、期待に胸を膨らませて決意を述べた。「メジャーに行けた時に活躍できる、大きく強い体をつくってきます。すごくわくわくしています」。夢舞台での成功に向けて、さらなるレベルアップを誓った。

 11月9日にメジャー挑戦を表明。「どこのチームでという気持ちはない」と話していたが、「何となく希望しているところからも(オファーが)来ています」と、希望球団があることを初めて明かした。球団名は「言えません」としたが、移籍先が絞られてきていることをにおわせた。

 代理人アーン・テレム氏とは連日のように連絡を取り合い、進ちょく状況を確認している。これまでパイレーツ、オリオールズ、ジャイアンツなどが興味を示しているとの現地報道があるが、「その他からも話をいただいています」と、少なくとも4球団以上からオファーがあることを明言。今季の推定年俸が8400万円と割安で、メジャーでは救援投手の需要は多い。日本人の救援陣では岡島、小林、薮田が合意したのも11月と比較的早期に決定する傾向にある。

 ヤクルトでは主にセットアッパーとして活躍したが、メジャーでは守護神としての役割を希望している。カブスとタイガース以外は抑えは固定されているが、まずは守護神としての地位を求めていく。すでに意中の球団とも接触しており「なるべく早く決めたい」と表情は明るかった。

 アリゾナには約1カ月滞在予定だ。この日は長女琴音さん(6)の学芸発表会だった。「僕が米国に行くことを、よく分かってないみたい。ほっぺにチューしてよと言ってもしてくれなかった」と、苦笑いも見せた。停滞をみせる米FA市場だが、滞在中に合意する可能性が高くなってきた。【由本裕貴】