【ミルウォーキー(米ウィスコンシン州)15日(日本時間16日)=四竈衛、佐藤直子通信員】今オフ、FAでメジャー挑戦が確実視されるソフトバンク和田毅投手(30)に対し、ダイヤモンドバックスが獲得方針を進めていることが分かった。大リーグのGM会議が始まった同地で、ダ軍ケビン・タワーズGM(50)が、日本球界屈指の左腕がFAとなった場合、獲得リストのトップに入れていることを明かした。

 タワーズGMは、メジャー移籍を表明した場合に備えて調査を進めている事実を認めた上、和田を称賛した。「クレバーで(賢く)確実にストライクを取れる投手」と高評価。先発はもちろん、リリーフも任せられるサウスポーとして興味を抱いている。元投手の同GMは「テンポよく試合を組み立てられる投手がいい」と話しており、低めのコーナーに投げ分けられる和田のスタイルは理想にはまる。

 今季就任1年目でプレーオフ進出を果たした同GMは、来季は01年以来となるワールドシリーズ進出に意欲を燃やしている。そのためには、投手陣の強化が最優先事項。ケネディ、コルメンターら、若手先発投手が頭角を現す中、先発の軸となる投手の獲得を目指している。関係者によれば、和田獲得に向けて、契約年数は未定ながらも単年換算にして400万~500万ドル(約3億~約3億7500万円)の年俸を用意しているという。

 もともと、ドジャースからFAとなった黒田博樹投手(36)の獲得も同時に進めていた。だが、黒田の日本球界復帰の可能性が高いとみられ、和田獲得に狙いを定めたようだ。和田に対しては、ナショナルズ、エンゼルス、ブルージェイズなど、複数球団が獲得を検討しているとみられる。技巧派左腕の獲得に向けて、争奪戦が繰り広げられることになりそうだ。

 ◆ダイヤモンドバックス投手事情

 先発陣はリーグ最多21勝ケネディ、16勝ハドソン、12勝ソーンダース、10勝コールメンターの4人まで確定しているものの、5人目は空席。左腕はソーンダース1人で、先発にもう1人左腕が欲しいところ。救援陣も抑えプッツ、ヘルナンデス、ジーグラー、ショーまでは盤石だが、残り3枠は不透明。補強の最優先事項となっている。