前西武の土肥義弘投手(35)がオリオールズとマイナー契約で合意したことが13日、分かった。土肥は10年オフに西武からFA宣言し、海外に挑戦。昨年は米国、メキシコで移籍先を探したが、公式戦に1度も登板できずに“浪人”生活を送った。キャンプは3Aノーフォークからスタートし、メジャー昇格を目指す。

 2年越しの夢がかなう。単身で海外に乗り込んだ昨年は苦難の連続だった。米マイナーの入団テストに受からず、米独立リーグのトライアウトには合格したが、ビザの問題などでマウンドに上がるチャンスすらないまま、無念の帰国となった。オフに、米国を拠点とする「IBC

 nyInc.」とマネジメント契約。左腕補強を目指したオ軍と交渉を進め、念願だったメジャーへの道が開けた。

 日本球界からのオ軍入りは、このオフだけで和田、チェンに続いて3人目の左腕となる。マイナーには元ロッテ田中良平投手(29)が所属しており、心強い。土肥はかつて“巨人キラー”と呼ばれたように、越える壁が高いほど力を発揮するタイプ。海外1年目の厳しい洗礼にも負けなかったメンタルの強さを武器に、マイナーからはい上がる。

 ◆土肥義弘(どい・よしひろ)1976年(昭51)9月1日、埼玉県生まれ。春日部共栄では2年夏にエースで甲子園準優勝。プリンスホテルを経て97年ドラフト4位で西武入団。04年にトレードで横浜移籍。巨人戦に13勝4敗とめっぽう強く「巨人キラー」の異名をとった。09年から西武に復帰し、10年オフにFA宣言して退団。通算335試合31勝45敗1セーブ、防御率4・30。177センチ、86キロ。左投げ左打ち。