【サプライズ(米アリゾナ州)27日(日本時間28日)=高山通史】レンジャーズ・ダルビッシュ有投手(25)に、早くもマリナーズ・イチロー外野手(38)とのドリームマッチ実現の可能性が浮上した。レ軍はオープン戦初登板が3月7日(同8日)パドレス戦(ピオリア)になることを発表した。次戦登板が中4日ならば同12日(同13日)マリナーズ戦(ピオリア)。ブルペンで18球、打撃投手で33球と仕上がりも万全で、今季注目バトルの前哨戦へ準備万端だ。

 「ダルビッシュVSイチロー」の競演が、いきなり現実味を帯びてきた。レ軍はこの日、先発ローテーション候補のオープン戦登板予定を発表。ダルビッシュの対外試合デビューの相手が7日パドレス戦になることが決まった。その腕試しを終え、中4日で次戦登板となれば相手は12日のマリナーズ。アリゾナの荒野を舞台にした“決闘”は、日米野球ファン注目のマッチアップになりそうだ。

 実現の可能性は濃厚だ。開幕投手の元広島ルイスを筆頭に、オープン戦初戦から5試合で先発ローテーション候補7人を調整させる予定。そのサイクルならば、全投手が次戦も中4日になる。中継ぎ起用の可能性があるフェルドマン、オガンドもそのメンバーに入っている。ワシントン監督は「現時点で6、7人の先発候補がいる」と早い段階で適性を見極めたい狙いもある。わずか1回りでテストを終えることはなさそうだけに、顔合わせ実現の希望が膨らむ。

 ダルビッシュにとってオープン戦とはいえ、心躍る再戦になる。初対戦したのは日本ハムでのプロ2年目の06年2月。WBC日本代表の壮行試合に、相手の12球団選抜の一員として先発。2打席対戦して1安打1四球、2回もたずに7失点KOされた。チームメートになった09年2月のWBCの強化合宿ではシート打撃で対戦して変則ルールで四球、二塁打に終わっていた。

 メジャーへ挑戦した今季は、正真正銘の真剣勝負の場が整った。マ軍は同じア・リーグ西地区のライバル。潜在意識を植え付けるためにも、前哨戦とはいえ重要だ。環境、状況が変わるメジャーで変化球の精度などに疑心暗鬼の段階。「まだそんなに投げていないので、思い切り腕を振って気持ちが入った時に変わってくると思う」と測りかねている。対イチローはその闘争心のスイッチが入り、テストする絶好のきっかけになる。

 この日はキャンプイン後、3度目のブルペン入り、打撃投手を務めた。「すごく良かった。自分の指の感覚とか体の動きとかが良くなってきている」と実感しており、エンジンがかかってきた。メジャーのデビュー戦の可能性もある、本拠地テキサスでの開幕2カード目の4月9日(日本時間同10日)からの4連戦もマリナーズ戦。今季、何度も繰り広げる名勝負が、もう見られるかもしれない。