【サプライズ(米アリゾナ州)29日(日本時間30日)=高山通史】レンジャーズ・ダルビッシュ有投手(25)に、いきなりメジャーの洗礼といえる過酷日程が待ち受けることになった。ワシントン監督が先発4番手で起用することを発表。本拠地テキサスでの4月9日(同10日)マリナーズ戦でのデビューが正式に決まった。イチローとの対決を皮切りに、4月の登板予定は難敵あり、悪条件ありとバラエティーに富んだ試練の連続になりそう。真価が問われるスタートを切る。

 厳しいハードルを設定したのも、親心なのか。ワシントン監督が注目のローテーションを明らかにした。「ダルビッシュはマリナーズ戦。ただダルビッシュ対イチローじゃない。レンジャーズ対マリナーズだ」。色めきたつ日本の報道陣を制した。先発陣5人で当初は3番手起用の可能性が高いとの見方もあったが「実績だよ、実績」と、あくまでダルビッシュは新人扱いで先発4番手。昨季10勝以上をマークした開幕投手の元広島ルイスら3人を順番に据えた。

 一方で、調整のしやすさを考慮して、ダルビッシュの登板間隔を中4日とすれば、ともに敵地で14日(同15日)ツインズ戦、19日(同20日)タイガース戦。3度目の登板で3番手ハリソンと順番が入れ替わる。14日は初のデーゲーム、19日は4月の平均最低気温が5度を切るデトロイトのナイターと、厳しい環境下での戦いを強いられる。そして24日(同25日)にはテキサスでの名門ヤンキース戦が控える。ダルビッシュは「いつも通り投げるだけです」と淡々。オープン戦の30日ロッキーズ戦(ソルトリバー)でアリゾナでの実戦調整は終了する。波乱の幕開けの予感も漂う米で迎える球春へ、立ち向かう。