西武から海外FA権を行使し、メジャー移籍を目指す中島裕之内野手(30)が、極秘渡米したことが11日、分かった。カブス、アスレチックスなど数球団が獲得に名乗りを上げ、移籍を巡る動きがヒートアップ。先月上旬にトレーニング目的で渡米したが、今回はトレーニングに加え、各球団との交渉も目的の1つとみられる。FA宣言後は沈黙を貫いてきた中島。夢の挑戦に向けた交渉が、いよいよ本格化する。

 大志を抱き、米国の地へ飛び立った。先月上旬の渡米ではダイヤモンドバックスの施設見学のみにとどまったが、代理人のグレッグ・ゲンスキー氏による交渉の動向次第では、直接交渉の場に同席することも想定される。「全部決まってからお話をさせてもらいます」との意向を持ち、先月23日の帰国後は移籍の話題に触れることはなかったが、ウインターミーティング後のこのタイミングでの渡米が、順調さを物語った。

 ポスティングシステムでメジャー挑戦を目指した昨季は、独占交渉権を得たヤンキースと決裂。情報が錯綜(さくそう)し、自身も戸惑った経験から、情報収集と管理を徹底。先月上旬の渡米時も非公表だったが、今回も極秘で渡米。滞在先もベールに包む徹底ぶりで、水面下で移籍に向けた交渉を進める。関係者によれば、FA宣言直後、中島は「楽しみ」と語った。夢を実現するその日に合わせ、動き始めた「夢時計」がまた1歩進んだ。