【カンザスシティー(米ミズーリ州)20日(日本時間21日)=四竈衛】ダイヤモンドバックスが、ヤンキースからFA(フリーエージェント)になったイチロー外野手(41)の獲得を本格的に検討していることが、分かった。メジャー関係者らによると、ダ軍はイチローを右翼として期待。低迷するチームが再建の軸として動きだす可能性が高まった。

 今季メジャー最低勝率に終わったダ軍が、水面下でイチローと松坂の獲得を本格的に検討し始めた。オーナー会議が行われていた同地で、メジャー関係者らが明かしたもので、ダ軍はともに「興味レベル」から真剣に検討する段階へ入ったとみられる。

 イチローは、右翼のレギュラー候補として期待される。今季のダ軍は、左翼トランボ、中堅インシアルテを中心に起用したものの、外野手で規定打席到達者はなく、レギュラー確定者はいない。衰えのみえるロスを除けば、20代の若手が多く、補強ポイントはベテラン外野手。先月41歳になったイチローについて、ダ軍編成部門は「まだまだ十分にレギュラーとしてプレーできる」との見解で一致しており、FA市場が動き始めれば、ほぼ同時期に具体的な交渉へ移行する見込みだ。

 またメッツからFAになった松坂大輔投手(34)に対しても検討しているようだ。

 現時点で条件面などのオファーに至ってないが、イチローには単年で200万ドル(約2億3000万円)~300万ドル(約3億4500万円)プラス出来高、松坂にはメジャー昇格の際に条件を見直すマイナー契約が提示されるとみられる。しかし松坂はソフトバンクが複数年の大型契約を提示するとされ、先発ローテとしても期待されるなど条件面を比較すれば圧倒的にソフトバンクが有利。「W獲り」は夢物語の可能性は高いが、日米屈指の安打製造機の獲得は本気モードだ。