もみじ銀行で2日から始まった「カープV預金2015」の発売記念イベントがこの日、広島市中区の同行本店で行われた。松田オーナー、菊池、丸が参加。Aクラスなら順位に応じて「特約利率」が付くとあり、申し込みが殺到している。中日との練習試合でも接戦を制し、発売開始から20年でいまだない優勝しての最高追加利率0・3%に本気だ。

 今年はやるじゃろ! そんなファンの期待が「カープV預金」に如実に現れた。もみじ銀行広報室の和田昭室長も興奮気味だ。発売開始から3日間で預け入れ残高はなんと約114億5100万円! 前年の同期間は約58億3800万円で、昨季から約56億1300万円も増加している。ちなみにマツダスタジアムの総建設費が約90億円だから、その額は巨大だ。

 「V預金」はAクラスに入れば、順位に応じて店頭表示利率(この日は0・03%)に「特約利率」がつく。3位なら0・1%、2位なら0・2%、優勝なら0・3%だ。つまり100万円預けて広島が優勝すれば100万3300円になるということ。2年連続Aクラス入りし、昨年末には黒田が復帰。期待感がふくらみ、預入額が増えるのも当たり前だ。

 発売当日は営業前から約30人の行列が出来る店舗が続出したという。過去20年で最高の残高は昨年の1476億円。期限は6月30日までで、和田室長は「突破することは確実と見ています」と目をぱちくりさせた。預金した丸も「もう0・3%しか見えてません。優勝してきっちり(利率を)つけたいと思います」と気合十分だった。

 優勝すればみんながハッピー。チームはそのための準備を着々と進めている。中日との練習試合では4投手が0封リレーで接戦を制した。先発ローテ入りが確実な野村祐輔投手(25)は3回を2安打無失点と快投。ここ2試合で失点し、課題だった立ち上がりをクリアした。

 ローテ6番目の男を狙う2番手福井優也投手(27)も3回を1安打無失点。2四球を与えたが4三振を奪うなど、崩れなかった。この日は無観客試合ながら、球場外にはファンが列をつくっていた。24年ぶりの優勝を、みんな願っている。広島を元気にする。それがカープの使命だから。【池本泰尚】