開幕投手が内定している阪神ランディ・メッセンジャー(33)が、2年ぶり2度目の大役に向け、万全の投球を見せた。オープン戦2試合目のヤクルト戦は5回無安打無失点の無四球。3回に失策で走者を出すも、続く中村を二塁ゴロ併殺に打ち取り、5回を打者15人斬り。昨季3試合1勝2敗、防御率9・00の天敵を圧倒した。

 「変化球の精度もよくなっているし、続けていきたい」と振り返った通り、寒さの中でも投球に狂いはなかった。カーブ、フォークでも空振りを取り、2回1死からは森岡に対して絶妙のコースに直球を投げ込んで見逃し三振。「物足りないのはスライダー。ゲームになるとなぜか思うようにいかない」と首をかしげたが、前回6日西武戦の4回2安打無失点をさらに上回る結果を出した。中西投手コーチも「投げるたびによくなっている。打者15人で抑えているんだからな」と目を細めた。

 太めの体形に質問が集中し、ご機嫌斜めだった2月の沖縄・宜野座キャンプ。その中盤に早々と開幕投手を射止めた。開幕を争った藤浪が侍ジャパンへの招集でチームを離れる事情はあったが、メッセンジャーの安定感こそ首脳陣が開幕を託した決定打だった。この日の試合後、和田監督は「開幕メッセンジャー」を明言こそしなかったが「そういう投球を見せてくれている」と信頼は揺るぎない。

 「野球だから次は何が起こるかわからない。でも、続けて行きたいね」と笑顔でうなずいたメッセンジャー。ふっくらしていた体も引き締まった。20日オリックス戦(京セラドーム大阪)が最終調整。球団初の2度目の助っ人開幕投手が、27日中日戦のマウンドに上る。【堀まどか】