ソフトバンク松坂大輔投手(34)が2日、右肩筋疲労で無期限ノースロー調整を行うこととなった。3月31日に福岡市内の病院で検査を受け、炎症はなかったものの、肩を休めることが決まった。ブルペン投球再開の見通しも立たず、日本球界9年ぶりの復帰登板は完全な白紙となった。

 投げられないことを松坂は自ら工藤監督へ伝えた。無念そうな表情で、ノースローで様子を見る必要があることと、ブルペンで投げた後の疲労感が、いつもより長引いている状態を説明した。3月18日にインフルエンザにかかり、開幕4戦目へ向け調整していた肩が緩んだ。最後のブルペン投球は3月29日。4日間のノースローでも改善が見られなかった。

 3月31日に福岡市内の病院でMRI(磁気共鳴画像装置)検査を受けた。田中トレーナー統括は「肩の筋疲労。大事をとってしばらくノースローにする。全治は(分から)ない。個人差があるので」と説明した。

 松坂も「初めてではない」と話す肩の筋疲労はいわゆる「病名」ではない。骨折などの故障とは違い、症状もさまざまで不透明。ソフトバンクでは摂津が昨年5月に訴えて1カ月で復帰した例がある一方、OBの斉藤和巳は07年4月に訴え7月に復帰しながらその後右肩を手術。6年間リハビリを続けたが1軍に戻ることができなかった。

 報告を受けた工藤監督は「肩は生命線。僕も肘が痛くても投げたことはあるが、肩は投げられない。嫌な感じがいつとれるかは本人しか分からない」と話した。今後も西戸崎合宿所でリハビリを続け、回復を待つしかない。