日本ハムのドラフト1位有原航平投手(22)がプロ初先発をパーフェクトで飾った。イースタン・リーグDeNA戦に先発。最速149キロの直球を軸に変化球を織り交ぜ、3回を投げ1人の走者も許さなかった。順調なら次回は12日フューチャーズ戦(鎌ケ谷)で先発を予定。右肘痛からの復活へ着々と前進している。

 真っさらな舞台を踏みしめた。有原が、念願の先発マウンドに立った。「久しぶりで楽しかった」。胸の高鳴りは、躍動感ある姿になって映し出された。1回1死。3年目の有望株白崎への初球は109キロのカーブ。4球目の直球は、この日最速149キロを計測した。40キロの緩急差で空振り三振。「直球で空振りや、三振が取れたのは良かった。今日は肘を気にすることなく9、10割で投げられた」と手応えをかみしめた。

 当初は3回で50球程度を投げる予定だったが、テンポ良く38球で終えた。伊藤総合兼投手コーチは「素晴らしい。さすがだなの一言。もう一段階、上がれる」と大絶賛。有原は「ツーシームは良かった。カーブとスライダーが、ちょっと抜けていて高い球が多かった」と変化球の精度を課題に挙げたが、直球のキレは本来の状態に近づいていた。

 右肘痛の影響を考慮され3月22日の実戦初登板から、中10日空いた。その間ブルペンで100球を投げ、先発仕様の体づくりに励んできた。伊藤総合兼投手コーチは「少しずつ先発ローテの間隔に詰めて、何試合か回していく」と説明。次回予定のフューチャーズ戦では、先発で3、4回を目安に球数は60~70球程度の見込み。有原は「1回でも多く投げて、ゼロに抑えたい」と、上を見据えた。目覚めた力を最大限に発揮するときが、近づいている。【田中彩友美】