ＤｅＮＡに“マリオ”が帰ってくる！？　６月の交流戦期間中に、大洋時代の８６年から９０年まで活躍したカルロス・ポンセ氏（５６）を招くことが２０日、決まった。口ひげをトレードマークに「スーパーマリオブラザーズ」マリオの愛称でファンに愛された人気者。６月７日の西武戦でイベントの「ひげ審査員」を務め、横浜スタジアムを盛り上げる。悲願のＣＳ進出のために、名助っ人の来訪はナインにとっても心強い援軍となりそうだ。

　口ひげ自慢のダンディーさん、集合～！！　多彩なイベントで観客数を伸ばしているＤｅＮＡが、またもユニークなイベントを企画した。６月７日の西武戦で、かつて大洋時代に本塁打王（８８年）と打点王（８７、８８年）を獲得したポンセ氏が、“応援来日”のため横浜スタジアムを訪れる。関係者と旧交を温めるとともに、トレードマークの口ひげにちなんだイベントでは来場者をステージに迎え、「ひげ審査」を行う。認定者には割引チケットを贈呈。交流戦期間中の目玉企画として、現在米国で運送会社に勤務する同氏の協力を得て、実現にこぎつけた。

　偶然ながら、ＤｅＮＡ本社との“コラボレーション”にもつながるか。３月中旬に大ヒットゲームソフト「スーパーマリオブラザーズ」を生み出した任天堂との資本・業務提携で合意。今回の企画は、あくまでも球団独自の試みのためタイアップを意図するものではないが、「マリオ」の愛称で親しまれたポンセ氏の来場には、縁を感じずにはいられない。前日の６日もＯＢの屋鋪要氏（５５）を招き、同様のイベントを実施する。

　何よりもファン拡大がチームに勢いと勇気を与える。中畑監督は常々、ファンとの一体感を重んじる。特に本拠地での試合に関しては「横浜スタジアムで一番いい試合を見せたいし、見てもらいたい。ファンと感情を向き合う場所になる」と、ファンとの絆を深める“聖地”として位置づけてきた。球団職員も営業面を含め、ファン拡大に向けて思考を練り、横浜スタジアムの「超満員」を目指して奮闘している。

　開幕ダッシュに成功し、勢いに乗りかけたチームは、ここにきて６連敗と苦戦中。最大４あった貯金もなくなった。ちょうど１年前も６連敗を喫して借金１０のどん底を味わったが、今季はまだ借金２。再び上昇気流へ－。ペナント争いにしがみつき、勝負どころで「スーパーマリオ」の力を借りる。【為田聡史】

　◆主なひげのプロ野球選手　６０年代の阪神には佳紀と恭彦と辻姓が２人おり、佳紀は「ひげ辻」と呼ばれた。８０年代の南海は山内トリオが在籍。孝徳は「ひげの山内」と呼ばれたが、後に和宏もひげを生やした。広島の黄金期を支えた木下富雄は口ひげから「パンチョ」の愛称がついた。ＤｅＮＡのＯＢでは１００勝１００セーブの斉藤明夫、９８年の優勝に貢献した「ヒゲ魔神」の五十嵐英樹や「ライオン丸」シピンらが有名。８０年代の西武にはひげで下手投げかつ先発の松沼博久と高橋直樹がいた。巨人はひげが禁止でシピンや小笠原は移籍加入の際にそったが、スミスや屋鋪は認められた。