阪神能見篤史投手(35)が、本来の粘りを発揮できず、東京ドームで自身4連敗を喫した。6回で115球と苦しみ、8奪三振ながら10安打5失点で3敗目。試合中、広報に託したコメントにも悔しさがにじんだ。

 「踏んばらないといけないところで、踏んばりきれませんでした」

 立ち上がりを無失点で切り抜け、2点リードとした直後の3回だ。1死一塁から2番片岡に内角低めスライダーをすくわれ、左翼席前列に狭い東京ドームならではの同点2ランを浴びた。4回には勝ち越し点を献上。味方打線に同点としてもらうが、中盤に痛恨の2失点が待っていた。

 3-3の6回。先頭5番フランシスコを内角直球で詰まらせるも、右前に落とされる。1死一塁からは7番村田のたたきつけたゴロが二遊間のど真ん中を抜け、1死一、三塁。小林は三振に斬ったが、続く代打金城に1ストライクから内角140キロ直球を投じ、痛烈なゴロで三塁線を破られた。「(粘りたかったのは)6回だけじゃないけどね…」。2点二塁打で再び勝ち越され、この回限りでマウンドを降りた。

 「感じ自体は悪くなかった」と振り返った通り、数字ほど打ち込まれる状態ではなかった。中西投手コーチは「粘りがなかったな。全体的にゾーンが高かった。真っすぐが多くて、緩い球が少なかったからゾーンが下りてこなかった」と残念がった。

 勝てば巨人戦通算20勝となり、2リーグ分立後の阪神投手で5位タイに浮上するところだったが、持ち越しとなった。自身の連勝も2でストップ。次回先発が予想される9日広島戦は、仕切り直しのマウンドになる。【佐井陽介】

 ▼能見が東京ドームで勝ったのは13年5月6日が最後。同8月3日から5試合勝ちなしの4連敗となった。この間、昨シーズン開幕戦となった14年3月28日には、開幕投手としてはプロ野球ワーストタイの10失点を記録している。

 ▼阪神の1試合17被安打は、4月7日DeNA戦(甲子園)と並び今季ワースト。巨人戦では、14年3月30日(東京ドーム)での17被安打以来。