1勝1敗で迎えたAクラス同士の3戦勝負は、仙台大が東北福祉大を振り切った。中1日で先発した最速152キロのプロ注目右腕、熊原健人(4年=柴田)が4安打8奪三振で4戦連続完封。連続無失点回数を36イニングに伸ばした。勝ち点を4とした仙台大は、16日からの東北学院大戦で勝ち点を奪えば春連覇が決まる。

 熊原が中1日の先発となる今季2度目の3戦勝負を制し、リーグ通算11勝目をものにした。プレーオフ(PO)にもつれ込んだ昨春から続く東北福祉大との因縁対決。チームは5勝4敗と勝ち越し、熊原が2戦連続完封で同カード4勝目(PO含む)を挙げた。

 第1戦同様、1点を死守した。熊原は「昨日負けた時点で心の準備はしていた。疲れはありましたが(背番号)18を背負っている意味を考え、1人1人に集中した結果。リードのおかげです」と千葉俊捕手(3年=盛岡大付)に感謝した。

 制球難を克服した第1戦の修正能力に加え、この日は心身両面のタフさも証明した。4回と最終回に、この日最速149キロをマーク。球速は最後まで落ちなかった。計7イニングで走者を背負い、6回は2死一、三塁、7回には2死三塁のピンチを招いたが、冷静さを失わず切り抜けた。プロではまず有り得ない中1日の連続先発。4球団のスカウトが視察する中、楽天上岡スカウトは「非の打ちどころがない。直球のアベレージも145キロ前後で、今すぐにでもプロで通用する」と絶賛した。

 Aクラス対決の第1関門を通過した森本吉謙監督(40)は「よく守り切った。これだけの投手がいるので1点の重みを知ることが大事」と2戦連続の無失策を評価した。チーム最終戦となる第6節(16、17日)は昨春、3戦勝負の延長10回タイブレークで敗れた東北学院大と対戦。あと2勝で春連覇が決まるが、勝ち点を落とすと最終勝率で上位に及ばなくなる。熊原は「勝ち点を取って神宮に行きたい」と2年連続の全国に闘志を見せた。【佐々木雄高】