阪神福留孝介外野手(38)が同僚マートンの体当たりを擁護した。

 13日のヤクルト戦(神宮)の2回三塁走者のマートンはタッチアップで本塁へ。アウトのタイミングだったが、相手捕手西田に体当たりした。

 これで西田が吹っ飛び、両軍ベンチが飛び出し、あわや乱闘という険悪なムードになった。

 過去にマートンの同様のプレーでヤクルトの捕手が故障したという経緯もあり、真中監督は故障の危険があると球審に抗議。一夜明けても賛否が入り乱れていた。ヤクルト側は本塁を空けていたと主張しているが、メジャー経験もある福留は完全にベースを空けていたのか、と疑問を呈した。

 「本塁を空けているようには見えなかった。マートンが悪いという声があるのかもしれないけど、走者は(ベースが)空いていなければ、こじ開けるしかない。それに(足から)滑れば故障のリスクがある」

 じつは福留は06年、本塁に突入した際、捕手の足の隙間にスライディングで足を入れようとしたが、相手に乗られ、右膝を故障した経験がある。捕手が故障のリスクを主張するならば走者にも同様のリスクがあることを強調した。米大リーグでも捕手が本塁の一角を空けておくというルールがあるが、それが完全に空いているのであれば問題ないが、隙間程度ならば、走者はスライディングでの故障リスクを避けて、体当たりを選択することがあるというわけだ。

 「捕手も(体当たりが)くるならば、力を抜いて、いなすなどやり方があると思う」と、互いに故障のリスクを抱えるプレーで真っ向からぶつかり合った以上マートンだけに非があるというのはおかしいと主張した。