米大リーグのレンジャーズを自由契約になり、独立リーグの四国アイランドリーグplusの高知への移籍を表明していた藤川球児投手(34)が8日、高知市内で入団会見に臨んだ。模様は以下の通り。

 (最初に自らあいさつ)

 藤川 いろいろな思いもあり、今日、この日を迎えられたことを光栄に思うと同時に、これからやらなければいけないことの重大さを、自分の責務は大きいなと。自分のなかで、新しい人生のスタートとして最高の決断をできた。(冒頭に司会者が読み上げた)プロフィルですが、身長は184センチあります。182センチではないです。(笑い)

 (写真撮影の後に報道陣と一問一答)

 -なぜ高知を選んだか

 藤川 理由は純粋に、僕と妻が高知出身。自分たちの子どもは米国にいるけど、もうすぐ夏休みです。キャンプやバーベキューとか、本当に1つの家族として夏を満喫したいと思っていた。そのなかで、ただ自分だけ家族のためだけに過ごすよりも、もう1つ、野球選手としての顔がある。自分を使って、高知の子どもたちに何かのキッカケになるかもしれない。そう考えて、ここが一致しました。

 -高知での練習は

 藤川 昨日は越知町に初めて行った。木曜日あたりに練習に参加して、登板後は体のケアもあり、トレーナーにも見てもらう。トレーニング施設のこともあるし、上手に使って、自分の体調管理をしながら、家族との時間を有効に使いたい。ブルペンには先週、3回入っている。昨日も投球練習をして、捕手と意思疎通をしながら。

 -周囲に活躍する姿を見せたい

 藤川 地元に、バリバリできるときに子どもたちに夢を見てもらって。高知の野球人口が減っているのを知っていたので、こういう決断に至った。米国に行ったとき(ファンは)自分のチームのプレーヤー、地元を大事にしていた。僕の地元は高知。少しでも貢献する。

 -周囲は阪神時代と比較するが

 藤川 周りが言うことであって、どんなアスリートでも、どういう人でも、いつも自分の先を見据えてやっていますから。芯のある人間は、どんな世界でも、そういう人はいる。周りはそう思うかもしれないけど、本人にとって、まったく関係ない。人生のなかで大事なものを一番に、突き進むだけです。

 -投手として自信は変わらずにあるか

 藤川 なければやっていない。あるので、どこでやっても同じだと思います。

 -高知に戻ってきて

 藤川 子どもたちを夏休みに入って(仁淀川などに)連れて行ってあげて、そのなかで、自分は野球をする。山に囲まれたところで自分を磨き直したり、走り込んだり…。でも家族がすぐそばにいる。そのバランスですね。自分にとって、いい選択したなと思った。

 -高知の良さは

 藤川 高知県民の気質はもちろんある。『たっすいがはいかん』と。自分の中で1本、筋を通して生きる気質がある。自分も高知の人間だと感じています

 -自身の目標は

 藤川 試合を見に来てくれた子どもたちが、自分たちの人生において、多分、すぐには分からないと思うのですが、10年、20年たったときに、そういえばと思い出してくれたときに彼らが夢を実現している可能性もあります。すぐに答えが出ることではないですけど、なので、僕にとってはその一瞬一瞬、すべてが大事になる。まったく抜くことができない。それ自体が大きな責務です。形に見えないですけどね。

 -20日の実戦でどんな球を投げるのか

 藤川 いやあ、そうですね。そこに対する大きな責任がありますね。それが自分を燃やしてくれている。それが、答えじゃないですか。自分の人生を納得できて、6月20日ということを見据えられている。そこをつかまえられたこと自体が今回の決断というのが、自分の明日以降、見られる。ワクワクドキドキ。守るつもりは一切ないですから。思い切り勝負したい。1球目と言わず、最後まで気を抜かず、その1日を頑張りたい。