大商大(関西6大学)が西日本工大(九州地区)に逆転勝ちし、前回出場以来24年ぶりに初戦を突破した。エース岡田明丈(4年=大商大高)は自己最速を更新する151キロの直球を軸に、9回途中まで3安打1失点7奪三振と好投。吉持亮汰内野手(同=広陵)は3盗塁を決めるなど今秋ドラフト候補が躍動し、悲願の初優勝に1歩を踏み出した。

 自己評価は50点でも、自身初の全国大会で高い他者評価を岡田はつかんだ。2回に長打と自身のバント処理の失敗から先制を許し「先に点を取られてしまったのは良くない」とうつむいた。けん制のサインミスで2度も無人の二塁ベースに送球し、遊撃の吉持と2人そろって富山陽一監督(50)に「しっかりせえよ」と叱られた。全国の雰囲気に慣れるには、今春無敗の右腕でも時間がかかった。

 それでも3安打に相手を抑え、自慢の速球はロッテのスピードガンで自己最速151キロをマーク。守備ミスで招いたピンチを野手がカバーし、失点を防いでくれた6回2死では「味方に助けてもらったあとですから」とレベルを上げた速球で空振り三振を奪った。オリックス中川アマスカウトチーフは「ここ一番での直球はプロの1軍レベル」と絶賛。今春6勝無敗の力を大舞台で披露し、2安打3盗塁の吉持とともに全国区のドラフト上位候補に名乗りをあげた。【堀まどか】