阪神藤浪晋太郎投手(21)が6日、サッカー女子日本代表「なでしこジャパン」の戦いで頂点の価値を再確認した。午前11時から甲子園で行われた投手指名練習前に、W杯決勝・米国戦を後半途中からテレビ観戦。悔し涙を流すイレブンの戦いぶりに大きな刺激を受けながら、勝負の世界に生きる同志として口を開いた。

 「僕がなでしこジャパンのみなさんにどうこう言える立場ではありませんが、準優勝はすごいこと。でも、せっかくなので優勝してほしかったな…という思いはあります」

 懸命な戦いぶりで勝ち上がり、日本中へ多くのメッセージを発信したなでしこ。藤浪もその戦いに見入った1人だ。それだけに「あと1勝」の重みを共感し、涙の意味を感じ取る。「優勝と準優勝は全然違う。自分は『一番にならないと意味がない』と言われてきた。だから勝ちきって欲しかった…と思います」。決して上から目線ではない。「頂点」が持つ意味や価値を、藤浪は世界を相手に戦ったなでしこに再度学んだ。

 「いい形で締めくくって後半戦につなげたい」

 前日5日DeNA戦での7勝目から一夜明け、軽めの調整で次戦を見据えた。まずは目の前の一戦を大切に。すべては秋につかむしかない、頂点のためにある。【松本航】