西武岸孝之投手(30)が完全試合に迫る快投を見せたが、惜敗した。7回1死まで1人の出塁も許さない完全投球。中島に四球を与えたが後続を断ち、8回を迎えた。昨年5月のロッテ戦に続く、史上3人目の2年連続ノーヒットノーランに近づいたが暗転。近藤に低めのカーブを巧みに打たれ、懸命に跳んだ中堅秋山のわずかに上を越えるフェンス直撃の二塁打で快挙はついえた。

 1死三塁でスクイズを警戒し、岡の構えで察知したが「上に外すか、下に外すか迷って中途半端になった」スライダーで虎の子の1点を奪われた。「大谷くんがいい投球でゼロで行っていた。先に点をやったから、負けた感じがする」とエースの責任を負った。

 黒星という結果は残ったが、今季一番の手応えはつかんだ。試合中は快挙に近づいていることよりも、好感覚を得ていることが脳内を占めた。「(快挙は)気づいていた。でもしっくり来なかった部分をこの1週間でつかんだところがあった。それだけを意識していたら、いつの間にかゼロだった」。詳細は明かさなかった。だが開幕前の左脇腹負傷で前半戦1勝に終わった岸が後半戦への光を見つけた。【広重竜太郎】