猛虎が勝負の後半戦開幕へ向けて天敵退治を誓った。19日、甲子園で全体練習を行った和田豊監督(52)は全員の前で「勝負は9月だ」と訓示した。首位と0・5ゲーム差の3位で迎える勝負の後半戦。最初の関門はマイコラス、ポレダと虎が苦手とする助っ人2枚をぶつけてくる巨人だ。指揮官も、主砲も今度こそ-の決意をにじませた。

 緊迫感が甲子園を包み込んでいた。後半戦開幕を翌日に控えた練習、まず和田監督が全員にメッセージを送った。関係者によれば、勝負の夏場を意識した言葉だったという。

 「後半戦が始まるが、一喜一憂せずに頑張ろう。混戦が続くけれど、勝負は9月だ」

 首位と0・5ゲーム差の3位での折り返し。空前の大混戦はどこが優勝してもおかしくない。猛虎は昨年も、一昨年も夏場に失速して優勝を逃している。指揮官はそれを踏まえた上でメッセージを送ったようだ。

 勝負の後半戦は最初からハードな戦いとなる。本拠地で巨人との3連戦。相手はマイコラス、杉内、ポレダの3投手を先発に立ててくる見込み。特にマイコラス、ポレダには東京ドームでの直近の対戦で敗れた。マイコラスには2試合で3点しか奪えておらず、ポレダにはなんと開幕から4戦全敗。そこを乗り越えなければ勝負の9月までたどりつけない可能性もある。

 和田監督 前回やってから、そんなに(時間が)たっていないし、そこらへんを何とかしないことには…。この先も(対戦)あるわけだから。攻略するのもあるし、接戦に持ち込みたいよね。ロースコアの戦いの中でワンチャンス、ツーチャンスで打てるかどうか。

 接戦は覚悟の上。その上でどう勝つか。打線の中心選手たちも決意を示した。前回対戦でマイコラスから特大弾を放った福留は全員で点を取る意識を挙げた。

 福留 (打てる球を)一発で仕留められるかどうか。塁に出て簡単に投げさせないとか。極端な話、打てなくても勝てればいい。同じ相手に何回もやられるわけにはいかない。

 剛速球を投げ込んでくるポレダに対し、12打数4安打と結果を残しているマートンも頼もしかった。

 マートン 基本は真っすぐ狙いだね。米国ではずっとそういう投手と対戦してきたからね。

 和田監督 9月を見据えた戦いもしていかないといけない中で、そこにいく前に失速したらいけない。ここからは状態のいい選手が出てくる時期。全員がより一層、上げてもらわないと。それができれば、チームとして1つになれる。控えも大事になってくる。

 指揮官は課題の9月を制するポイントとして、2軍も含めた総力を結集することを挙げた。勝負の夏場を和田阪神がどう戦っていくのか。天敵にいかに立ち向かうで見えてきそうだ。【鈴木忠平】

 ▼阪神は前半戦で同じ投手に苦戦する傾向が強かった。巨人マイコラスは2戦1勝0敗(防御率2.08)ポレダは4戦4勝(同1.75)新人高木勇にも3戦2勝0敗(同1.64)。中日大野には4戦3勝(2完投)0敗で防御率は0.56と封じ込められている。ほかに先発投手では広島黒田、DeNAモスコーソに2勝0敗。抑えでは巨人沢村に1勝3セーブ、ヤクルト・バーネットに3戦3セーブをマークされている。