歓喜か地獄か? ソフトバンクの追加日程が23日に発表され、9月は9連戦や10月1日までの7連戦が確定。休養日がたった3日の過密スケジュールになった。工藤公康監督(52)は「大変にならないようにするために、今がんばる」と目の前の試合に全力を尽くすことを宣言。マジック点灯が視野に入ってきたが、攻めの姿勢を貫く決意だ。

 天のいたずらが工藤ホークスに試練を与えた。中止になった3試合の追加日程が発表された。9月は2度の6連戦の後に、9連戦、さらに10月1日まで7連戦と続く。その間、試合のない日はたった3日。しかもすべて移動日や遠征先で迎える。事実上の「無休」だ。昨年の9月は8勝14敗1分けでまさかの大失速。優勝は10月の最終戦に持ち越しとなった。その再現はゴメンだ。この日、ヤフオクドームの投手練習を視察した工藤監督は言った。

 「9連戦が大変になるかは分からない。余裕があれば、選手を使い分けられる。大変にならないようにするために、今を頑張る」

 地獄のスケジュールで苦しむかは、8月までの戦いぶりで決まる。

 追う2位日本ハムはエース大谷をぶつけてくるプランが浮上している。これに対し、指揮官はコンディション維持を重視し、特別ローテーションを組む考えはなかった。

 「ローテを組む時にやるのはいいが、誰かを飛ばしたり(登板間隔を)短くしたりするのはダメ。調整しにくくて、コンディションの作り方が難しい。大事じゃない試合はない」

 相性を考慮するが、無理はさせない。過密日程への備えでもある。

 首位独走の中、最短で30日にも優勝へのマジックが点灯する。「全然。言ってるじゃないか。3連戦で勝ち越しを目指す、って。守りに入らないのが大事だ」。数字に踊らされる気はない。オリックス、楽天と下位チームとの対戦が続くが、調子を上げており、油断は禁物だ。歓喜の9月を迎えるために、貯金作りに集中するだけだ。【田口真一郎】