信念を貫いた結果の敗戦だった。ソフトバンクは延長戦に突入しても、守護神サファテの起用はなかった。延長11回に森福がつかまり、4失点。連勝は「5」でストップし、鷹の祭典と日曜日の連勝も「11」で止まった。負けた悔しさを押し殺し、工藤公康監督(52)は冷静に振り返った。

 「(サファテは)ブルペンに入れるつもりはなかった。登板数が多い。昨日もしんどそうだと、感じる部分が僕の中であった。休まさないと、1週間や10日ではすまなくなる」

 守護神は前日25日まで後半戦初戦から4戦すべてマウンドに上がっていた。登板数はチーム最多の「41」。コンディションの維持を重要視する指揮官に迷いはなかった。投球練習をさせることなく、試合を終了。もちろん、首位独走だから負けていい、という考えはない。

 「残りのメンバーで、と思った。(打線も)打てる時ばかりじゃない。投手ががんばらないと。助け合いでやっていくところだ」

 後半戦の得点は3→4→2→2→1と打線は下降気味だ。こういう時こそ、工藤監督は投手全体に高いレベルを求めた。11回に勝ち越しを許した場面は、左前のポテンヒットだったが、不運で片付けなかった。「ボールが高いと、ああいう打球が生まれやすい。低いとゴロになる。(森福の)生命線は低めに丁寧に投げるところにある」。失点した後も森福を続投させたのは、右打者対策のツーシームを課題に取り組んできたから。チームの快進撃は小休止となったが、先を見据えた試合運びは今後に生きる。【田口真一郎】