体重105キロの投手が1年ぶりの勝利を手にした。石巻専修大(宮城)の右腕佐藤大和(2年=米沢中央)が今秋初先発して8回を無失点に抑え、昨秋9月7日以来のリーグ通算2勝目。球質の重さとフォークを武器に11三振を奪った。福島大を下したチームは開幕3連勝。

 ユニホームがはち切れそうな佐藤が、石巻専修大の開幕3連勝に貢献した。「低め中心で変化球も低めに決まった」と言う8回0封。7回を除く毎回安打を許しても、要所でフォークがさえた。球質の重さで詰まった打球も多かった。

 184センチ、105キロ。米沢中央2年の秋は180・5センチ、91キロで、身長も伸び体重は当時より14キロ増えた。練習はこなすが、菓子などを間食することが多く、食欲旺盛でより大きな体になった。「若干、球が重くなった。バットの芯に当たっても、(打球が)外野の頭を越えなくなった」と話す。この日許した7安打のうち長打は1本だけ。105キロの体重に利点がある。

 体は大きくてもフィールディングは素早い。3、6回のバント処理では走者の進塁を許さなかった。体形から、高校時代にバントで揺さぶられることが多かったといい「かなり練習していた」と胸を張る。この秋は全3試合に登板して10イニング無失点。抑えとしても活躍する。

 酒井健志監督(37)は「もっと絞りたいんだけど、本人が必要性を感じていないみたい」とダイエットは佐藤任せの方針だ。「やせたら、このピッチングができるかどうか」と佐藤。今は力士のような体形でも十分に通用する。【久野朗】

 ◆佐藤大和(さとう・ひろかず)1995年(平7)4月26日、宮城県東松島市生まれ。大曲小1年から大曲スポーツ少年団で野球を始める。矢本二中では東松島リトルシニアに所属。米沢中央ではエースとなった2年秋に東北大会に出場。3年夏の山形大会は準優勝。11年の東日本大震災では津波で自宅が全壊する被害を受けた。最速139キロ。184センチ、105キロ。右投げ右打ち。家族は両親、姉、兄。