中日の川上憲伸投手(40)と小笠原道大内野手(41)の両ベテランが、来季構想外となっていることが7日、分かった。04年に沢村賞を受賞するなどエースとして一時代を築いた川上は、右肩痛の影響で今季登板なし。名球会入りしている小笠原は7月30日に2軍落ちしていた。最下位に低迷するチームは世代交代を図り、新たなチーム作りに着手する方針だ。

 低迷の続く中日が大きな転換期を迎えた。来季構想メンバーに40歳川上、41歳小笠原の名前が入っていないことが判明した。10月1日の戦力外通告解禁を待って正式に通達される。長きにわたってファンから愛されたベテランたちに、寂しい秋が訪れる。

 川上は落合監督時代に05年から4年連続で開幕投手を任されるなどエースとして絶大な信頼を集めた。メジャー挑戦後の12年1月に古巣中日に復帰。1度は戦力外通告を受けるも、新体制となった落合GM-谷繁兼任監督の強い要望で残留。昨年には自身6年ぶり7度目となる開幕投手を務めた。

 だが、40歳を迎えた今季は右肩痛の影響から登板はゼロ。右肩に加えて左膝も痛め、1カ月近くブルペン投球が出来ない状況が続いていた。この日はナゴヤ球場での練習を終えて「来年のことはあまり考えていない。今年の契約をしている以上は今年を精いっぱいやりたい。ただ、普通考えたら(今季中に)マウンドに上がることはないでしょ」と苦しい現状を明かした。

 「ガッツ」の愛称で親しまれる小笠原は、巨人から中日移籍1年目の昨季、代打としてチームに貢献。6打数連続安打の球団記録も樹立した。主砲から代打として立場が変わっても勝負強さを発揮。今季も46試合で42打数13安打、7打点、打率3割1分の成績を残している。7月30日の今季2度目となる登録抹消後は、2軍調整が続いていた。

 チームをけん引してきた主力が高齢化する一方、若手が伸び悩んでいるのも事実。13年から2年連続4位に低迷。今季も17試合を残し、首位阪神と10ゲーム差、クライマックスシリーズ圏内の3位巨人とも8ゲーム差をつけられている。このまま最下位でシーズンを終えれば97年以来の屈辱。「大ナタ」はこれだけでは収まらない可能性もある。

 ◆小笠原道大(おがさわら・みちひろ)1973年(昭48)10月25日、千葉県生まれ。千葉・暁星国際高からNTT関東。96年ドラフト3位で日本ハム入団。2年目まで捕手。02年から2年連続で首位打者、06年は打点と本塁打の2冠を獲得。FAで巨人に移籍した07年には江夏豊以来、史上2人目となる両リーグでのMVP。11年には通算2000安打を達成。178センチ、84キロ、右投げ左打ち。

 ◆川上憲伸(かわかみ・けんしん)1975年(昭50)6月22日生まれ、徳島県出身。徳島商-明大。97年ドラフト1位で中日入り。1年目に新人王を獲得。04年には最多勝となる17勝を挙げ、リーグ優勝に貢献。MVP、沢村賞にも輝いた。08年オフに海外FA権を行使してブレーブスに移籍。12年から中日復帰。昨年は開幕投手を務めた。179センチ、90キロ。右投げ右打ち。