下克上阻止へ、頼もしい男が帰ってきた。ソフトバンク柳田悠岐外野手(27)が12日にヤフオクドームで行われた紅白戦に「3番・指名打者」で出場。三ゴロ、右飛に倒れたが、回復した姿をアピール。練習後に状態を問われ、「普通です。また明日、頑張ります」と多くを語らなかったが、表情は明るく、チーム最大の不安要素は取り除かれた。

 柳田は左頸骨(けいこつ)の骨挫傷と首痛で調整が大幅に遅れ、3戦連続で紅白戦を欠場していた。リーグ最終戦の5日楽天戦から実戦は遠ざかり、CSのスタメン出場が危ぶまれていた。工藤監督は「守備については、明日もう1度、球を捕ってみて、問題があるか、確認したい。日に日に良くなっている」と話した。紅白戦はこの日が最終戦で、紅組はベスト布陣を組んだ。トリプルスリーと首位打者を獲得した男が出場するかしないかで、攻撃力は大きく変わる。指揮官も「全然違いますからね、もちろん」と存在感の大きさを認める。本来のポジションである「3番センター」での先発が見えてきた。

 この日の練習後に、ファイナルステージの相手がロッテに決定。05年、10年は下位チームのロッテに日本シリーズ進出を阻まれた。工藤監督は「これから重点的に(映像を)見ていきたい。自分たちの野球は変わらない。選手たちがグラウンドで暴れてくれたら」と分析に本腰を入れる。負傷明けの柳田がロッテの勢いを止める。【田口真一郎】