1桁背番号を奪い取る! 広島が14日、マツダスタジアムで秋季練習を開始した。2年目の今季、チーム3位の141試合に出場した田中広輔内野手(26)も、意気込み新たに練習に参加。緒方監督から中軸を期待される来季へ向け、全体的なレベルアップを図る。主力選手への階段を駆け上がり、目指すは63からの背番号変更だ。

 2年目のシーズンを終え、田中には落ち着きが見られる。晴天の下、行われた秋季練習初日。エース前田と並んでポール間を走り、菊池とそろってノックを受けた。笑顔を見せれば、ひとり捕球から送球までの動きを確認する真剣な表情も見られた。自分のペースを守りつつ、期待の若手から主力選手へ。狙うは、入団時から目標のひとつだった1桁の背番号だ。

 「思いは今もあります。プロは数字の世界なので、評価してもらえれば」

 今季は菊池、丸に次ぐ141試合に出場した。4番と9番以外の打順を任され、打率2割7分4厘をマーク。チームでは新井(2割7分5厘)に次ぐ成績も「僕の調子で勝敗が変わることもあった。しっかり自分が任された役割をこなせるようにしないといけない。チャンスメークはある程度できたと思うけど、チャンスで打てなかった」と自覚する。緒方監督が掲げる勝負強い打撃が課題。2割3分7厘に終わった得点圏打率の向上を目指す。

 田中は「全体的にレベルアップしないといけない。でも1番は守備」と、リーグワースト22失策の守備力向上は最重要課題だ。シーズン中からマンツーマン指導を受けてきた石井守備走塁コーチに、この日も身ぶり手ぶりで指導を受けた。「いい見本となる方が近くにいるので、お手本にしていきたい」。二人三脚で堅実さを求めていく。

 緒方監督は秋季練習前に「菊池も丸も田中も、もう1度強化していかないといけない」と中軸候補として名前を挙げた。本人も自覚する。「今年使ってもらったのはそういうこと。意図は分かっているつもり。センターラインがしっかりしないといけない。それを意識してやっていこうと思っています」。来季は主力のひとりとして、同学年のキクマルとより強固なセンターラインを描くつもりだ。【前原淳】

<広島の1桁背番号>

<1>前田智徳(引退)

<2>東出輝裕(引退)

<3>衣笠祥雄(永久欠番)

<4>小窪哲也

<5>栗原健太(自由契約)

<6>梵英心

<7>堂林翔太

<8>山本浩二(永久欠番)

<9>丸佳浩

 ◆広島の1桁の空き番号 引退の東出と退団の栗原によって<1>、<2>、<5>の3つとなった。13年まで前田智徳氏が背負った<1>は空き番だが、今季まで後継者不在で球団預かりとなっている。衣笠祥雄氏がつけた<3>、山本浩二氏のつけた<8>は永久欠番。