沢村賞の選考会議が26日、都内で行われ、広島前田健太投手(27)が受賞したと発表された。前田は今季15勝8敗、防御率2・09の成績を収め、セ・リーグ最多勝のタイトルを獲得した。投球回数は206回1/3、奪三振は175、完投は5試合だった。

 堀内恒夫選考委員長は「最終的に藤浪、大谷と3人にしぼって選考した。甲乙つけがたく、私は該当者なしでもいいのではと言ったぐらい」と語った。その中で前田が選ばれた理由について、平松政次委員は「今年もっとも安定したピッチングをしたのは前田だった。藤浪の奪三振(221)や大谷の160キロを超える球など、沢村さんのイメージに近いという意見もあったが、今年NO・1と考えれば、前田の上をいく投手はいなかったということ」と説明した。

 沢村賞は、不世出の大投手といわれる故沢村栄治氏(巨人)の功績をたたえ、1947年(昭22)に制定された。選考の基準は(1)15勝以上の勝利数(2)150以上の奪三振数(3)10以上の完投試合数(4)2・50以下の防御率(5)200イニング以上の投球回数(6)25以上の登板数(7)6割以上の勝率。