ソフトバンクが将来的にメジャーリーグに参入する構想を持っていることがわかった。後藤芳光球団社長(52)は「メジャーの球団をソフトバンクグループが持って、日本と選手の交流をしたりできれば夢があることですね。1つのグループで両方持てばおもしろい」と話す。

 現在、具体的な球団買収計画はないが、ソフトバンク本社の世界戦略の一環として、メジャーに参入すれば米国での知名度は一気に上がる。12年に米国の通信事業者のスプリントを買収。今月1日にも米国最大級オンライン融資仲介サービス提供業者のソーファイへ約1200億円を出資するなど、米国での事業は拡大し続けている。

 「メジャー球団を買収するとなると、いくつものハードルがあります」と話す後藤社長は、まず日本球界で最強常勝軍団をつくるつもりだ。2年連続で日本一となったが、目標は巨人のV9を超えるV10だ。「強くならないとメジャーとの間でも話にならない。我々は日本の球界でも新参者ですから、まず強くないと。球界発展のためにも(強くなって)いろいろと言わないといけない。来季、再来季と3年計画で連覇を続けようとしている」。本業が多忙な孫オーナーに代わり、後藤社長と王球団会長が中心となり、今季から3年契約を結んだ工藤監督とチーム強化を図る。

 今回のドラフトでは6人すべて高校生を指名。来年からは福岡・筑後市の新ファーム施設に移転し2軍、3軍の若手を鍛え上げる施設も整う。「次の柳田を見つけるといったような、10連覇の戦力を大きな視野に立ってやっていきたい」と、先の先まで見据えている。近い将来、柳田がソフトバンクから、グループが買収したメジャー球団へ。「いえいえ、柳田はずっとホークスでプレーしてもらいますよ。メジャーにもよそにも出しません」と後藤社長は笑って否定したが、05年の参入以来「めざせ世界一!」を掲げ続けるソフトバンクなら、本気で世界の球界勢力図を塗り替える日が来るかもしれない。