阪神は来月1日付で、現在の南信男球団社長(60)が顧問となり、四藤慶一郎専務取締役(55)が新社長になることを30日、発表した。兵庫・西宮市の球団事務所で会見した四藤新社長は改革を旗印にFA市場にも積極的に参戦していく考えを示した。

 金本新監督の誕生とともに球団社長を引き継ぐ四藤専務は大きな責任を感じている様子。「身の引き締まる思い。改革を任され、自分でいいのかとも思ったが、今は、よし、やったろうという強い気持ちだ。長期的な戦力バランスを取るとともに、約束はできないが来季のリーグ優勝、日本一を目標にしたい」と抱負を語った。

 07年6月に就任した南社長は9シーズンにわたり岡田彰布、真弓明信、和田豊の監督3人をバックアップしてきた。「和田監督退任とともに身を引こうと決めていた。今季も終盤まで優勝争いしたが残念な結果になった。新監督を迎え、チームを改革のためフロントも人心を一新し、腰を据えて新しいチームづくりに取り組んでほしい」とした。

 すでにソフトバンク松田宣浩内野手(32)がFA宣言した場合に備えての調査は進めている。四藤新社長は「一部に名前も出ているが調査の結果、チャレンジするかもしれない。交渉で必要となれば自分が出ていくこともある」と前向きな姿勢を示した。【編集委員・高原寿夫】

 ◆四藤慶一郎(よつふじ・けいいちろう)1960年(昭35)9月27日生まれ。大阪市出身。84年に金沢大を卒業後、阪神電鉄入社。09年、球団へ出向。10年に同常務取締役、12年に専務取締役に就任。好きな言葉は「勇気、行動」。