阪神を戦力外となった加藤康介投手(37)が打者3人を抑え込んだ。

 前中日藤沢を外角131キロのスライダーで見逃し三振。続いて阪神でチームメートだった田上を二ゴロ。最後は前西武林崎を初球で中飛に仕留めた。わずか8球で3者凡退とし、「そこそこ良かった。今年はケガで試合に出られなかったから、今の状態を見てほしかった」と振り返った。

 春先に股関節を痛め、今季1軍登板は6戦で防御率11・57。戦力外通告はオリックス、横浜時代に続いて3度目だった。「非常に迷った。阪神で(現役を)終わろうとも思ったけど、意志が弱いので。もう少しやれる。もう1回やりたいと気持ちが変化した。今はNPBでしかやるつもりはありません」。

 経験豊富な中継ぎ左腕は、地元の声援を背に堂々たるマウンドさばきを見せた。あとは天命を待つのみだ。【鎌田良美】